【レポート】大人の思考力講座・第1回「○×」──“わからない”にとどまることから始まる思考

代表・井本による新しい連続講座
「自分で考えるって、こういうことだったのか〜井本陽久と体感する、数理的思考力と探究の連続講座〜」
が11/14(金)より、三田校にてスタートしました。

各回8名限定の少人数で、“思考そのもの”をじっくり味わう特別な時間。
この記事では、

  • この講座が目指しているもの
  • 今後予定されているテーマ
  • どんな方におすすめか

をまとめつつ、11/14(金)に行われた初回講座のレポートをお届けします。

■ 教えるでも、学ぶでもない。「考えること」を味わい尽くす講座

近年「思考力が大事」「これからは探究の時代」と言われますが、
私たちはそもそも“思考って何?”に十分答えられていないのかもしれません。

この講座は、そのモヤモヤに風を通す時間です。

  • 「思考とは何か」
  • 「探究とは何か」

を、頭で理解するのではなく、自分の中の感覚や推論の動きとして体験します

■ 初回(11月14日)のテーマは「○×」

講師からのフィードバックは、「○」か「×」かのみ。
そのシンプルな手がかりを頼りに、絶対こうに違いない!という推論が覆される瞬間を何度も体感しながら、自分自身をよりどころにした推論と思考錯誤を重ねていきました。

● わからない状態にとどまる

井本が最初に強調したのは、「わからない状態にとどまり続けること」の重要性です。

子どもは本来これを自然に行っていますが、大人になるにつれ、正解を求めてすぐに抜け出そうとしてしまう。この講座では、あえてその“わからなさ”の中に身を置き、自分の中で立ち上がってくる感覚・イメージ・推論を丁寧に扱っていきました。

● 多様な視点を持つチームだからこそ起こること

加えて、井本が繰り返し伝えていたのは、「物の見方は人それぞれであり、だからこそチームは強い」ということ。

  • それぞれの物の見方がある
  • それぞれのバイアスがある
  • 多様な視点を持つチームの強みはまさにそこにある

そして、この強みを活かすために必要なのは、“間違っていてもいいから、仮説や、仮説にすらなっていないイメージを共有すること”です。

最初は「こんなことを言っていいのだろうか」という遠慮もありましたが、場が進むにつれて、安心して発言できる空気が自然に生まれていきました。

● ワークで起きた協働的な思考の動き

はじめは、参加者の間に「間違いたくない」という遠慮の空気がありました。
しかし、ワークが進むにつれてその鎧は自然に外れていきます。

  • ふと思いついたイメージを口にする
  • まだ形になっていない気づきや違和感を共有する
  • 誰かの言葉を別の誰かが拾って言語化する
  • それをさらに別の人が検証する方法を提案する

といった、協働的な思考の循環が生まれていきました。

人数の少ない空間だからこそ、一人の発言が場全体を動かし、そこから新しい思考の筋道が見えてくる。
まさに“チームで考える”ことの意味が場に現れていきました。

● 参加者の声:「チームワークってこういうことか!」

終了後、ある参加者の方が印象的な感想を話してくれました。

「チームワークって、こういうことなのかと感じた」

研修などで行われる“チーム課題”は、結局のところ知識や経験がある人が有利で、年次の高い人の意見が強くなりやすい。しかし今回のワークは、知識が前提にならないからこそ、本当に一人ひとりの視点が平等に場に影響を与え、響き合っていたとのこと。

“フラットに意見を交換できる場”が、いかに思考の深まりを生むかを実感できる回となりました。

■ 次回以降のテーマ紹介

● 11月28日・12月5日・12日・19日「ルール・パズルと確定」

いもいもオリジナルの数理パズルを体験します。

  • 「この問題のルールは何か?」から始まる仮説検証の冒険
  • 仮置きや場合分けを使わず、必要条件だけで確定して解く“確定の論理”の美しさ
  • 正解ではなく、そこに至るまでの論理の流れの美しさ(=納得筋)を探究する思考体験

市販のパズルでは味わえない、“答えの先にある思考の美しさ”に出会う時間です。

● 1月9日・16日・23日「カプラ」

講師が設定した“見えないルール”をYes / No の最小限のフィードバックから推理していきます。

仮説を立て、集まったデータを検証し、修正するサイクルを、周囲と協力しながら進めていくことで、あたかも偉大な発見を成し遂げた研究者たちが辿ったような深い思索を体感できるような構成になっています。

■ この講座が特におすすめな方

  • 数理的思考や探究の本質を味わいたい方
  • 「考えること」をもう一度、自分の中で再起動させたい方
  • 子どもや生徒と一緒に「考える喜び」を深めたい方
  • 数学やパズルは好きだが、「思考の深さ」にはまだ踏み込めていない方
  • 安心できる少人数の場で、新しい学びを楽しみたい方

8名限定のため、1回1回がとても濃い体験になります。

■ まだ参加できる回のご案内

各回独立した内容になっていますので、1回のみのご参加も可能です。

11月28日(金)・12月5日(金)・12日(金)・19日(金)「ルール・パズルと確定」
1月9日(金)・16日(金)・23日(金)「カプラ」

各日、7:30〜8:30/10:00〜11:00の2回開催です。

少人数での特別な思考体験を、あなたも味わいにきませんか?
詳細・お申し込みはこちら:
https://asa-suri.peatix.com/