古谷正晶

こんにちは、いもいもの古谷です。生徒には「あき」と呼んでもらっています。
『チ。ー地球の運動についてー』という僕の大好きな漫画に、こんな一説があります。

「不思議だ。ずっと前と同じ空(モノ)を見てるのに、少し前からまるで違って見える。」
「だろうな。きっと、それが何かを知るということだ。」

「知る」は、「学ぶ」と言い換えてもいいかもしれません。
電車好きが、移動手段以上の意味を1つ1つの電車に見出すように。植物好きが、道端の雑草1本1本の名前と価値を知るように。数学者が、素数に美しさを見出すように。
何かを「学ぶ」ということは、新たな物の見方を得ることなのだと思います。そして、新たな物の見方を獲得した感動こそが、学びの面白さなのだと思います。

そう考えると、学びは勉強や学問でしか起こらないことでは全くなく、身の回りに溢れているものだと気付きます。
意味不明だったジェスチャーがすべて繋がり「あっ!」と声が出た瞬間も、毎日見ていた看板がちょっと変だと気付きニヤッとした瞬間も、苦手だったクラスメートがちょっと許せる気がした瞬間も、すべて学びの感動が訪れた瞬間だと思うのです。
周りが変わったのではなく、自分の見方が変わったことで、心が動いた瞬間だからです。

いもいもには、そんな瞬間がいっぱいあります。
生徒達にとってもそうですし、実は我々スタッフにとってもそうです。
僕らが置いた難題に、予想もしない方法で取り組んだり、思いもしなかった脱線の先に新たな面白さをみつけたりする生徒達をみて、様々なことを日々学んでいます。

ある卒業生が、私たちのことを「一緒に発見して一緒に喜んでくれる人」と表現してくれました。常にそんな存在でありたいと思いながら、授業に取り組んでいます。

ふるや・まさあき/1991年生まれ。東京大学工学部卒業、同大学大学院修士課程修了。渋谷教育学園幕張中学校、栄光学園中学高等学校での数学科教諭としての勤務を経て、いもいもへ。学生時代に熱中したマジックで知った表現の奥深さや、その後に出会ったインプロ(即興演劇)で得た「その人がその人のままでいるのが最も面白い」という考え方などを、数学講師としての経験と融合させ、総合的な思考力教室「いもいも思考力教室」を主に担当している。『いもいもラジオ』月曜担当